会計事務所

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使途不明金と使途秘匿金の違い

概要

使途不明金とは、法人が支出した金銭でその使途が明らかでないもの、または法人が使途を明らかにしないものをいいます。

一方、使途秘匿金とは、使途不明金のように金銭の支出(贈与、供与その他これらに類する目的のためにする金銭以外の資産の引渡しを含む)のうち、相当な理由なく、相手方の氏名、名称等を帳簿書類に記載していないものをいいます。

この2つの違いは、法人の税負担に大きな違いがあります。

使途不明金は損金に算入されず所得に課税されるのに対して、使途秘匿金は全額損金不算入となるだけでなく、通常の法人税に加え、支出額の40%の追加課税が行われます。さらに地方税の負担を合わせると、支出額とほぼ同額に近い約9割の税金が課されることになります。

また、支出額が課税対象になるため、赤字法人でも納めなければなりませんので、非常に厳しい取扱いになります。

使途不明金と使途秘匿金の違い

使途不明金とは、交際費、機密費等で金銭による支出をともなうもので、その支出内容がハッキリしないもの、要は会社として負担すべきものかどうか、会社の事業と関係があるかどうかも含めて支出目的が明確にならないものをいいます。会社は支出先や支出金額はわかっていますが、なんのための支出なのかが明確でないため、会社の経費で処理することができないものです。

一方、使途秘匿金は金銭による支出だけではなく、金銭以外の現物により支給する場合もあります。使途不明金とは違って、支出目的だけではなく支出した相手の名称や所在地すら帳簿等の記録に残さないことになりますので、違法性の性格をもつ支出ともいえます。